ゼラチンってなに?

温めると溶ける。冷やすと固まる。ゾル-ゲルの熱可逆性を持つタンパク質。

牛・豚・魚など、動物のカラダを形づくる繊維状のタンパク質を『 コラーゲン 』といいます。コラーゲンは水に溶けにくく、そのままでは利用範囲が限られてしまいます。コラーゲンを様々な分野で幅広く活用するために、温めれば液体化し(ゾル)、冷やせば固まる(ゲル)ように加工したものが『 ゼラチン 』です。

コラーゲンとゼラチンの関係

ゼラチンができるまで

ゼラチンの多くは、牛や豚のコラーゲンから作られています。近年では魚由来も製造されています。

  1. 牛や豚からゼラチンの元(コラーゲン)を作ります。難溶性のコラーゲンを、アルカリや酸を使って可溶性に変えます。
  2. 原料の中のコラーゲンを温水によって加熱変性しタンパク質を抽出します。
  3. 抽出したゼラチンを細かいフィルターでろ過し、pH調整を行います。
  4. 成型、乾燥すればゼラチンの完成です。板状にしたり粉末状にしたり用途に合わせて使いやすく加工します。

ゼラチンの栄養分

ゼラチンは高タンパク質かつ低カロリー
ゼラチンの主成分はタンパク質です。11種類の非必須アミノ酸と8種類の必須アミノ酸を含んでいます。特に『 リジン 』が豊富です。リジンは、筋肉の成長や修復、コラーゲンの生成など、私たちの健康に欠かせない必須アミノ酸のひとつです。
ゼラチンと必須アミノ酸
アミノ酸は、体内で合成される『 非必須アミノ酸 』と、体内で合成されない『 必須アミノ酸 』に分類されます。体内で合成されない必須アミノ酸は、食べ物から摂取する必要があります。ゼラチンの特性を活かし、乳製品や大豆製品と組み合わせることにより、効果的に必須アミノ酸を摂取することができます。

ゼラチンの用途

食用ゼラチン

ゼラチンは、保型、保水、結着、安定、乳化、気泡などの特性を活かして、多くの食品に活用されています。ゼリー、プリン、ババロア等、スイーツ類は勿論のこと、電子レンジ対応食品やチルド流通惣菜等の型くずれ防止、品質保持でも活躍しています。

医療用ゼラチン

薬を飲みやすくするための、ソフトカプセル、ハードカプセルをはじめとし、座薬・トローチ剤・ハップ剤など、医療の分野でも、ゼラチンは広く活用されています。人体に無害であること、ゾル-ゲルの可逆性や、酸素・水分を透しにくいなどの特性を活かして重要な役割を果たしています。

写真用ゼラチン

古くから、写真やレントゲンのフィルム、印画紙等に使用される感光材料の結合剤として活用されてきました。溶解したゼラチンに各種溶液を加え、専用の用紙に塗布し乾燥させて感光膜を作ります。この感光膜に光を照射することで物体の像が形成されます。デジタルカメラが主流となった今でも、依然として活躍しています。

工業用ゼラチン

ゼラチンの起源は、古代エジプト時代に接着剤として用いられていた『 にかわ 』にさかのぼります。現代では、墨や塗料を始めマイクロカプセルや人工皮革、研磨紙など、幅広い製品に活用されています。また、古い重要文化財の修復にも欠かせない材料として注目されています。

介護

口内の温度で溶け始める特性に着目し、食物を飲み込むことが難しい方へのメニュー開発にも多く取り入れられています。嚥下障害や褥瘡など、介護ケアでの活用も日々研究されています。

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